H君のこと
何故か、最近、H君のことを思い出した・・・、天才について考えていたら、何故か、思い出した。
中学2年で転校した学校の、出席番号一つ前にいた、H君。
彼は、極度の、どもりだった・・・。「きききききききのうさ、ああああああいすたべたらさ、ででででででーれ、うううううまかった!」
こんな調子だった。だから、日常ほとんど何言ってるのかわからないのだが、彼の凄いのは、そこにさらに擬音を駆使して、会話自体をギャグのようにしていた。
「タタタタタタターンと行って、フン!っていったったらマママママママーあかんわ!」といったような会話をよくしていた。
・・・ほとんど、会話になっていない。
あれでいじめられてなかったことと考えると、いかに人間、キャラが大事か、ということを考えさせられる・・・・・。
また、彼は極度のなまけもので、部活などの厳しい練習は大嫌い、一応ハンドボール部に所属していたが、練習している姿など見たことがなかった。しかし、実は、運動神経はよく、土曜の放課後などは「裏山のダムで泳いできた!」とかいって、考えられないほど豪快な面も見せつけていたので、どこか、一目置かれている存在だった・・・。
中3の夏である・・・。
僕たちサッカー部は毎日毎日走りこんで、必死に練習してきたのに、地区大会であっさり敗北した。
オレたちの青春も終わったなーなんて感傷にふけっていたその時!信じられないニュースが飛び込んできた!
なんと、H君の所属するなまけもの集団、ハンドボール部が県大会出場を決めたらしいのだ。
しかも、ちょっと本気になったH君が、天才的な野生の感で豪快にシュートを決めまくり、ハンドボール推薦で、○○高校から誘われているらしい・・・!
大将!(H君のあだ名)「凄いやん!○○高校いくんやろ!」と、みんなで言うと、
「かかかかかかったるいでいかへん!ハハハハハハハンドボールなんてややややっとれんてー!」と言った。
そして、結局、彼は別の高校へ行った・・・。
高校生になった。
前にも書いたが、僕は何故か、ハンドボール部へ入ることになった。
一年の夏、練習試合で△△高校へ行った。△△高校はH君が行った工業高校だった。
僕は、まさか・・・、とは思ったが、意外にもそこにH君がいた!
コーラ太りしていた中学時代とは違い、真っ黒に日焼けして、体がしぼれている様子だった。
一年にして既にレギュラーのようでもあった。
僕が、「大将!ハンド部入ったんだ?」と聞くと
「まままままままままままままあね。」と、答えた。
しかし、僕が何でハンドボール部にいるのか?ということについては、聞いてこなかった。興味がないようだった・・・天才の所以である。
結局、僕はハンド部は辞めてしまったが、高3の卒業間近のある日・・・・、H君がハンドボール推薦である大学からオファーがきているらしい!という噂を聞いた・・・・!
僕は、たまたま大将にあったので、「大将!凄いやん、大学でハンドボールやるんやろ?」と聞くと、
「ややややややややらへんよ、だだだだだだいがくなんてかかかかかかかったるいし・・・、」と、言った。
「じゃあ、どうするの?」と聞いたら、「フジパンに行く!」って言った。
「フジパンのほうがエエ」と言った。
彼は、間違いなく天才だった。
彼は、練習は嫌いだったが、ハンドボールは得意だった・・・。
あれから、20年、もちろん、彼の近況はまったくわからないが、意外と「フジパン」は辞めていないかもしれないな・・・・。
そのくらい面白い強烈なキャラだった・・・。
ちなみに、卒業文集の「オッサンくさい人」第一位は、H君である。24票。
ちなみに僕は、第二位で・・・・・2票だった。
格が違うのである・・・・・。